ミニチュアペイントの醍醐味(あくまで主観です)にして、サイコーにアガるテクニック(主観です)である、レイヤリングとハイライトをミニチュアに施しましょう!
ミニチュアに光りを!押忍!
「レイヤー・ハイライト」編では、光のあたる部分、ハイライト、つまりミニチュアの凸部分に明るいカラーを塗り重ねていき、より立体感ををつけるためのペイント手順を紹介していきます。
このページでは、ハイライトをペイントする面積の大きさで、「レイヤリング」「ハイライト」とざっくりふたつに分け、2色のカラーを使って塗っていきます。
ペイント入門の中でおそらく最高難易度となるテクニックですが、張り切っていきましょう!
レイヤリング
まずはレイヤカラー、「オーリックアーマー・ゴールド」をパレットに出し、水で薄めます。
今回は、「シェイド」編で生み出した影と一段階落としたトーンを残しつつ、グラデーションのようにペイントします。
かなり薄めの濃度にしました。
ベタ塗りよりも少量の塗料を筆に取り、同じ方向へ何度か塗り重ねていきます。
たとえば写真の左胸は、身体の外側から中心へ、徐々に塗る面積を少なくしていき、一番明るく光が当たっていると思われるアーマーのフチが一番明るくなるようにペイントしました。
この間も、筆が乾かないようこまめに筆を洗い、水を使って塗りやすい濃度を保つことは忘れずに。
写真中央のような細い部分へとカラーを入れる場合は、さらに慎重かつ繊細な筆のコントロールが求められます。
筆の先端のみに塗料を含ませ、軽く回すようにスーッと筆を引き、パレットの上で塗料を落とします。
塗料を出していない場所で先端を整えましょう。
キッチンペーパーの上で整えていますが、筆に含ませる塗料をコントロールする腕があがれば、パレットの上だけでも出来るようになるはず!
ビシッと筆が立ちました。
こうすれば、コントロールしやすく、狙ったところにピンポイントで筆が入りやすくなります。
一呼吸おき、息を止めて、バシッと決めてやりましょう。
奥から手前に、自分の体へと引くように筆を動かすのもポイント。
塗料が糸を引いてる!?
塗料の残りが少なくなってきて、なおかつフタが密閉されていなかったりすると、このようなことが起きてしまいます。
使い終わったらしっかりフタを閉めましょう。
しかし、こうなってしまっても手遅れではありません。
シタデルカラー専用添加剤、「ラーミアン・メディウム」を使いましょう。
軽く振ったあと、調色スティックでパレットに出した塗料の上に数滴たらし、水で薄めるのと同じ要領で、塗料を混ぜます。
「ラーミアン・メディウム」は無色の添加剤で、シタデルカラーの顔料を均一に保ったまま薄めることが出来るため、混色や「ウォッシング」に使う際の薄め液、水性のつや消しクリアとしても使えます。
「ラーミアン・メディウム」と水の合わせ技で非常に薄い濃度にして伸びをよくし、何層も薄く塗り重ねてより細かいグラデーション表現の役に立ったりと、その可能性は無限大なので、ミニチュアペイントでシタデルカラーを使うのであればほぼ必携のアイテムと言ってもいいでしょう。
ハイライト
最後に「ストームホスト・シルバー」で、アーマー部分に更なる輝きを入れましょう。
フチの頂点などに細くこのカラーを乗せていくことで、アーマーの「硬い質感」にメリハリを持たせ、最高にリアルな立体感を持たせるためのテクニックで、「エッジング」とも呼ばれます。
先ほどの「レイヤリング」と同じように、筆に含ませる塗料を抑え、筆先をビシッと立たせ、ミニチュアと筆が当たる面積と筆の角度を調整しながらなるべく細く、線を入れていきます。
あまりに細すぎてもゲームをする距離で見ると目立たないので、少し過度に強調させたくらいのハイライトの方が戦場で映えることもあります。理想のミニチュアに近づくため、練習を重ね、色々な表現にチャレンジしてみてください。
アーマーのフチの部分などは、筆の腹を使い、線を引くようなイメージで強弱をつけ、
小さな突起の先端などは、カラーを筆で置くようなイメージでペイントしてみてください。
はみ出してしまった!
ハイライトは、根気と覚悟のいる非常に繊細な作業だと思います。長時間ぶっ続けでペイントしていれば、失敗してしまうこともあるでしょう。
でも大丈夫。まずは落ち着いて乾燥を待ちましょう。
今までやってきた作業をもう一度繰り返せば、失敗したかどうかなんてわからないように修正出来ます。
ベースカラーを上から塗り、
シェイドを部分的に入れ、
一段階目のレイヤーカラー、
二段階目のカラーを塗りなおし、綺麗に修正出来ました。
レイヤリングとハイライトが終了ーッ!
二段階明るいカラーをペイントしたことで、重厚感のあるゴールドのアーマーになりました!
今回はハイライトの効果をわかりやすくするために、「リトリビューター・アーマー」からスタートするカラーチャートの一番明るいカラーを変更しましたが、「シタデルカラー」及び「シタデルペイントシステム」のカラーチャートに従って色を塗り重ねていけば、説得力のあるグラデーションをペイントすることが出来ます。
正直に言ってここまでペイントするのはかなり大変ではありましたが、是非このページに書いてある手順を参考にして、レイヤリングとハイライトにチャレンジしてみてください。
まだ誰も知り得ぬ、あなただけのカラーや、ペイントテクニック、そして世界にひとつしかない、あなただけのミニチュアが目の前にあるはずです。
とまあ、これが最後かのような物言いになってしまいましたが、細部の塗り分けをして、ミニチュアのペイントを完成させましょう。
では、「色の塗り分け」編へどうぞ!