まずはミニチュアをペイントする前に必ず行わなければいけないこと、「組み立て」です。
ざっくりミニチュアと言っても、プラスチック製やレジン製、メタル製など、様々な種類(が混合したモデルなど)がありますが、今回はプラスチック製のミニチュアを組む場合の手順を追っていきます。
今回、ペイント入門では、「ウォーハンマー エイジ・オブ・シグマー」、「ストームキャストエターナル」の中でも「組み立てとペイントが比較的やさしいリベレイターのキット」を使って説明していきます。
しかし、「これが正解!これをしなければダメ!絶対だぞ!」というわけではないので、あまり堅くならずに、「こんなやり方もあるんだね~」くらいの気持ちで読んでくださいませ。
さあ、汚れてもいい服を着て、明るくて平たい場所、汚れてもいい作業台、そして最後に、「いいミニチュアを作るぞ!」みたいな気持ちとイカしたBGMの用意が出来たら、早速ミニチュアの組み立てをはじめましょう。
パーツの切り離しと処理
プラ製のミニチュアは基本的に「ランナー」と呼ばれる枠にくっついているので、ニッパーを使ってパーツをここから切り出します。
写真のように小さなパーツを切り離すとき、思った角度にニッパーの刃が入らないことも多いので、「パーツがえぐれた!」なんてショッキングな事故が起きないように少し気を付けて作業しましょう。
写真のように、ニッパーの平たい部分とは逆の方向でまずはランナーごとバツンとパーツを切り離し、
それからパーツにくっ付いているヤツを切り落としてしまえば、ランナーに邪魔され、パーツごとえぐるように切ってしまうことは起きにくくなります。ぴったりと押し付けず、ほんの少しだけ余裕をもって切りましょう。
さて次は、ランナーとパーツをつないでいる「ゲート」という部分の処理、その名も「ゲート処理」です。
どんなに切れ味の良いニッパーで切っても、どうしても一緒についきてしまうかわいいヤツですが、美しいミニチュアを作るためにデザインナイフで切り落として綺麗にします。
パーツに対して水平に刃を当て、スッと切り落とします。
切れ味の落ちた刃の使用はケガのもとです。なるべく新しい刃を使って!
そして今回は最後に、「パーティングライン」を綺麗にしてパーツの処理を終わりましょう。
「パーティングライン」とは、写真の太ももに走る線のことで、ミニチュアのパーツ成形時に生まれてしまうものなのですが、これらが残っていると美しいベタ塗りやハイライトなどの大きな妨げになります。
デザインナイフかセラミックナイフで、パーツの面に対して刃を垂直に当て、カンナがけのように表面をならします。
あまり力をいれずにカリカリするのが綺麗に仕上げるコツ!
組み立て
さあ、各パーツが綺麗になりました。
今回は「プラスチックを溶かして接着する」タイプの接着剤、「タミヤセメント」を使ってパーツを接着していきます。
ミニチュアのモデリングに使用する接着剤は他にもたくさんあるのですが、その違いや使い分けなんかのお話はまたの機会に。
接着する面と面同士を一度確認して、フタについている刷毛を使い接着面に薄く塗り広げます。
ギュッと押しつけ、がっちりとホールド出来たら、乾燥するまでなるべく触らないようにしましょう。
ギュッと押しつけたら接着剤がはみ出した!
なんてこった!ギュッと押しつけたらムニュッて接着剤が出てきやがったぞ!
まずは落ち着きましょう。
はみ出した接着剤がしっかりと乾燥するのを待ちましょう。
タミヤセメントの場合、硬化にかかる時間の目安は1日、万全を期すなら一週間、などなど諸説ありますが、あまり気にせずガシガシと組み上げてしまうことが多いです。
しっかりと乾燥させたら、先ほどの「ゲート処理」や「パーティングライン処理」と同じような要領でこのはみ出した部分をきれいにならします。
先ほど書いたようにタミヤセメントは「プラスチックを溶かして接着する」タイプの接着剤なので、ここを綺麗にしてあげればそこには何もなかったかのようにリカバリー出来ます。
※これは「合わせ目消し」と呼ばれるテクニックのひとつなのですが、詳しくはまたの機会に・・・!
組み立て完了!
組み立て完了!
頭と台座も同じようにバチバチと接着すれば、組み立て完了ッ!
複雑に入り組んだミニチュアが、台座含むたったの5パーツで出来ているという感動ッ!
・・・お疲れさまでした。
若干駆け足になってしまいましたが、今回のキットでなくても、(標準的なプラスチック製)ミニチュアの組み立て手順はあまり変わらないので、今後、ミニチュアを組み立てる時の参考にしてくださいませ。
では次の手順、「下地塗装とベースカラー」へと参りましょう。